モニカ・ルインスキーのいま:クリントン元大統領の不倫相手という汚名を振り払い新たな活躍

パワフルに復活したモニカ・ルインスキー
新たな活躍の場
投票への参加を呼びかけ
「選挙は民主主義の根幹」
米大統領選についてのコメント
世界の注目を集めたモニカ・ルインスキー
誰もが知る時の人
27歳年上の大統領
不倫を否定したクリントン元大統領
関係を否定
「きっと、親切にし過ぎた」?
ルインスキーに宣誓供述書へのサインを迫ったクリントン
テープが流出
プライバシーを失ったルインスキー
「世界中の人々の前で公然と辱められる立場」
ドラマシリーズに登場
ルインスキーを追い詰めたマスコミ
真実を発信する機会
ルインスキーは何をしていた?
大きな影響を受けなかったクリントン元大統領
将来が見えなくなってしまったルインスキー
地に落ちたイメージ
ハンドバッグ、暴露本、ジェニー・クレイグ……
重くのしかかる弁護士費用
ニューヨークで新たなスタート
TVデビュー
ロンドンでの学生生活
『ヴァニティ・フェア』誌にエッセイを発表
いじめ撲滅活動
TEDトークに登場
ネットリンチ反対運動の「第一人者」として
マッケンジー・スコットを支援
ジョン・オリバーの協力
HBOの『15 Minutes of Shame』
ドキュメンタリー公開
あれから25年あまり
モニカ・ルインスキーの今
前向きに
パワフルに復活したモニカ・ルインスキー

ビル・クリントン元大統領とのスキャンダルによって、メディアの格好の餌食となってしまったしまったモニカ・ルインスキー。しかし、最近ではそのような汚名を振り払い、パワフルな女性として復活を果たしているようだ。

新たな活躍の場

『ピープル』誌によれば、ルインスキーは50歳となった現在、ファッションブランド「Reformation」が選挙への積極的な参加を呼び掛けるために行っているキャンペーン「You've Got the Power」の顔として活躍しているそうだ。

画像:Instagram@monica_lewinsky

投票への参加を呼びかけ

2024年2月に行われた同ブランドの新作コレクション撮影会でルインスキーはモデルを務めたというが、これは選挙ウェブサイトとコラボレーションしたものだったのだ。

画像:Instagram@monica_lewinsky

「選挙は民主主義の根幹」

キャンペーンのプレスリリースの中でルインスキーは「選挙とは私たちの声が聞き届けられるようにすることであり、民主主義の根幹を成すもっともパワフルな要素です」とコメント。

画像:Instagram@monica_lewinsky

米大統領選についてのコメント

さらに、「投票はいつだって大切ですが、今年(の米大統領選)はその重みが違います。有権者の不満と無気力が結果を左右してしまうかもしれないのです」と言葉を続けた。

世界の注目を集めたモニカ・ルインスキー

米国を揺るがしたスキャンダルから四半世紀、ようやく新たな活躍の場を見出したモニカ・ルインスキー。そこで、今回は当時のいきさつと復活までの歩みを追ってみよう。

 

 

 

誰もが知る時の人

1990年代後半に一躍時の人となり、下品なジョークのターゲットにされたり、深夜番組のコメンテーターにからかわれたり、大手メディアのゴシップネタにされてしまったりと散々な目に遭ったモニカ・ルインスキー。その理由は、ビル・クリントン大統領(当時)との不倫だった。

写真:ホワイトハウスでクリントン大統領(当時)と写真に収まるルインスキー(1997)、Clinton Presidential Library, Public Domain

27歳年上の大統領

2018年、モニカ・ルインスキーは『ヴァニティ・フェア』誌にエッセイを投稿。あの事件を簡潔に振り返った:「彼は私の上司でした。そして、地上で一番の権力者だったんです。私より27歳年上で人生経験も豊富です。当時、私は大学を出て就職したばかりでしたが、彼の方はキャリアの頂点にあったんです」

写真:『タイム』誌

不倫を否定したクリントン元大統領

2人の不倫が暴露されたとき、当時のクリントン大統領が公私にわたってすぐさま否定した事実は記録に残されている。

関係を否定

1998年1月に議会の場でクリントン元大統領が行った、「その女性と性的関係を持ったという事実はない」という不名誉な主張は、誰もが覚えていることだろう。

 

「きっと、親切にし過ぎた」?

Huluが制作したドキュメンタリー番組『ヒラリー』の中でヒラリー・クリントンは、夫が事件報道の直後に、すべてはただの勘違いだと釈明していたことを回想:「『大したことじゃない、あれはウソだよ。きっと、僕は彼女に親切にしたり気を遣ったりし過ぎたんだ』って言っていたわ」

 

ルインスキーに宣誓供述書へのサインを迫ったクリントン

その後、クリントン元大統領はルインスキーと内々に相談。ルインスキーによれば、2人の間に性的関係はなかったとする宣誓供述書に署名するよう説得されたという。クリントンはまた、同月に行われた無関係な訴訟の証言の場でも、不倫を否定することとなった。

写真:Helene C. Stikkel - Originally from US DOD, Public Domain

テープが流出

けれどもご存じの通り、クリントン元大統領のウソはすぐに露呈することに。1998年2月、ルインスキーが同僚のリンダ・トリップに相談した会話を録音したテープが流出、一面を飾ることになってしまったのだ。当時22歳のインターンだったルインスキーと関係を持っていたことはもはや隠しおおせるものではなかった。

写真:The Arizona Republic

プライバシーを失ったルインスキー

物見高い人々はたちまち、ルインスキーとクリントンの不倫について根掘り葉掘り詮索をスタート。葉巻からクリントン元大統領の体液が付着した青いドレスまで、何もかもが公になってしまった。

「世界中の人々の前で公然と辱められる立場」

2015年に配信されたTEDトークの中でルインスキーは当時を振り返ってこう語っている:「一夜にして、まったくの私人から世界中の人々の前で公然と辱められる立場に陥ってしまいました。ほとんど瞬時に、世界規模で名誉を失うことに関する第一人者になってしまったんです」

 

ドラマシリーズに登場

ルインスキーは、自身の監修のもと当時の出来事を彼女の視点から語ったドラマシリーズに参加。 こうして、2021年9月7日にFX放送制作の『弾劾:アメリカン・クライム・ストーリー』が公開されることとなった。

(写真:FX)

ルインスキーを追い詰めたマスコミ

同番組の制作責任者で脚本家でもあるサラ・バージェスは『Entertainment Weekly』誌に対し、「1998年当時の文化の中で、本人とはなんの関係もない第2のモニカ・ルインスキーが作られてしまったような印象です」とコメント。

(写真:Star)

真実を発信する機会

しかし、ルインスキーがドキュメンタリー番組の制作に協力したことで、事件に関する彼女の立場が明かされることとに。製作総指揮を務めるライアン・マーフィーは『ハリウッド・レポーター』誌に対し、「個人の経験を語ることができるのは本人だけ。いまどき、他人に語ってもらうのは気分が悪いだろう? 私と一緒に制作したいという人がいれば協力するさ。でも、プロデューサーはあくまで本人。報酬を受け取るのも本人だ」とコメント。

ルインスキーは何をしていた?

さて、同番組の監修を務めたことは別として、「本物の」モニカ・ルインスキーは今一体どのような生活を送っているのだろう?スキャンダル後の反響をどうやって切り抜けてきたのだろうか?

大きな影響を受けなかったクリントン元大統領

1999年、クリントン大統領は弾劾裁判の結果、司法妨害および偽証罪に関して無実とされた。一大スキャンダルだったにもかかわらず、大統領職も結婚生活も維持することができたのだ。

 

将来が見えなくなってしまったルインスキー

一方、ルインスキーの方は汚名を着せられ全米のジョークの種となった後、将来がまったく見えないまま20歳そこらで放り出されてしまったのだ。

写真:ビル・クリントン元大統領とモニカ・ルインスキーのマスクはハロウィンのベストセラーに

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地に落ちたイメージ

1998年、『ヴァニティ・フェア』誌から写真撮影の依頼を受けたルインスキー。写真家のハーブ・リッツは同誌に掲載するルインスキーの写真をかなり上品に仕上げたが、彼女のイメージ向上につながることはなかった。『ニューヨーク・タイムズ』紙のモーリン・ダウド記者などは、「ぴったりしたギンガムのスカート」と「むき出しの肩」をことさら強調し、アダルト誌のようだと書き立てる始末だった。大統領はすぐに許されたが、「もう1人」の方はそうはゆかなかったのだ。

 

ハンドバッグ、暴露本、ジェニー・クレイグ……

苦い思いをする羽目になったルインスキーだが、逆境をチャンスに変えようと奮闘。『Monica's Story』という暴露本を出版したほか、ハンドバックのブランドを立ち上げたりダイエット企業「ジェニー・クレイグ」の宣伝役を務めたりしている。

 

重くのしかかる弁護士費用

何としてもお金が必要だったルインスキー。『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューによれば、スキャンダルに関する弁護士費用をまかなうための借金が2000年には150万ドルに膨れ上がっていたという。そこで、彼女は知名度を最大限活用しなければならなかった。

 

 

ニューヨークで新たなスタート

ルインスキーは2000年、人目を忍ぶためワシントンD.C.からニューヨークに移住。けれども、この新天地でも汚名がついて回ることにすぐに気づかされることに。『ニューヨーク・ポスト』紙などは「Portly Pepperpot(でっぷりしたコショウ入れ)」というあだ名をつけて、ルインスキーを揶揄する始末だった。

 

 

 

TVデビュー

しかし、そんな仕打ちにもめげないルインスキーは2003年、『Mr. Personality』をはじめいくつかのTV番組に出演。さらに、英放送局「チャンネル5」の特派員として『Monica's Postcard』に出演、米国のトレンドや文化をリポートすることとなった。

写真:『Mr. Personality』スクリーンショット

ロンドンでの学生生活

2005年、米国での生活やスポットライトと決別すべくロンドンに移住。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで社会心理学を専攻した。修士論文のタイトルは『In Search of the Impartial Juror: An Exploration of the Third-Person Effect and Pre-Trial Publicity(公平な陪審員制度の探究:第三者効果と裁判前報道をめぐって)』。

 

『ヴァニティ・フェア』誌にエッセイを発表

2006年に同校を卒業したルインスキーは2014年まで極力人目を避けていたが、『ヴァニティ・フェア』誌のエッセイで公の場にカムバック。彼女の仕事ぶりに感銘を受けた同誌は、その後もライターとして執筆を依頼し続けることとなった。

 

いじめ撲滅活動

また、2014年には公開Twitterアカウントを開設。政治的な意見を発表する一方で。「いじめ撲滅活動」に携わる姿勢を明らかにした。

TEDトークに登場

ルインスキーがTEDトークやインタビューを通じて自身の経験について声を挙げ、ネットリンチと闘うのは驚くべきことではない。写真は2015年にTEDトークに登場したルインスキー。

写真:jurvetson / flickr

ネットリンチ反対運動の「第一人者」として

CNN放送とのインタビューでは、自身をネットリンチ反対運動の「第一人者」と形容。自分と同じような境遇に悩む人々に救いの手を差し伸べ、このような悲劇が2度と起こらないようにしたいと語った。

写真:CNN

マッケンジー・スコットを支援

ここ数年間、ルインスキーはいじめによる被害について講演を行ったり、マッケンジー・スコット(ジェフ・ベゾスの元妻)が率いるいじめ対策プロジェクト「バイスタンダー・レヴォリューション」に協力したりして時を過ごしてきた。

写真:ABCニュース

ジョン・オリバーの協力

幸運にも、人々はあれから目を覚まし、ルインスキーを襲った残酷な仕打ちに気づいたようだ。2019年には、TV番組『Last Week Tonight with John Oliver』の「Public Shaming(公の場でのつるし上げ)」に関するエピソードに出演。番組中でジョン・オリバーはルインスキーが受けた不当な扱いに言及。事件当時、下品で攻撃的なジョークを飛ばしたジェイ・レノをはじめとするコメディアンを名指しで批判した。

写真:『Last Week Tonight with John Oliver』, YouTubeスクリーンショット

HBOの『15 Minutes of Shame』

FX制作の人気シリーズに取り上げられたばかりか、自身のドキュメンタリー番組まで制作されることとなったルインスキー。MTVの『Catfish: TV Show』で司会を務めるマックス・ジョゼフとコラボし、HBO Maxから『15 Minutes of Shame』というドキュメンタリーをリリースしたのだ。

ドキュメンタリー公開

このドキュメンタリーは2021年10月7日にHBOが公開。クリントン元大統領のスキャンダルで人生が決まってしまったルインスキーに、彼女の視点から事実を語るチャンスがようやく巡ってきた。

 

あれから25年あまり

ホワイトハウスでの事件から25年あまりが経過した今も、ルインスキーは"有名人"であり続けている。実際、世界各地でさまざまなイベントに招待されており、レッドカーペットに姿を見せることも少なくない。

写真:『ヴァニティ・フェア』主催のアカデミー賞アフターパーティにてリタ・オラ(写真中央)、タイカ・ワイティティ(同右)とともに(2022年)。

モニカ・ルインスキーの今

たとえば、2023年2月には、ロンドンで行われたシェカール・カプール監督の『きっと、それは愛じゃない』のロードショーに登場。

 

前向きに

いまだに大統領の不倫相手だったという文脈の中で語られてしまいがちなルインスキーだが、本人はそのような偏見をものともせず、前向きに活動を続けている。

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