絶滅してしまったはずが……:再発見された動物たち

99.9%が絶滅
「ラザロ分類群」
復活を果たした動物たち
ヒメフクロウインコ
クロアシネズミ
一般的なネズミより遥かに巨大
30年間姿をくらます
キューバソレノドン
絶滅の危機は去っていない
テラートカゲ(Phoboscincus bocourti)
鋭い歯をもつ肉食トカゲ
フェルナンディナゾウガメ
およそ50歳
タカヘ
1948年に探検家が再発見
野生に戻す試みがスタート
クロスリバーゴリラ
1987年に再発見
人間の活動が与える影響
大量消費社会による環境破壊
絶滅危惧種は4万2,100種あまり
99.9%が絶滅
研究者たちの推定によれば、かつて地上に存在した全生物の99.9%は絶滅してしまったとされる。その一方で、新種の発見が途絶えることはなく、絶滅したと考えられていた生物が再発見されることも珍しくない。
 
「ラザロ分類群」
『ナショナル・ジオグラフィック』誌によれば、化石記録から一時的に姿を消し絶滅したように見えるものの、後にふたたび出現した生物のことを「ラザロ分類群」と呼ぶという。これは死から蘇ったとされる聖書の登場人物にちなんだものだ。
写真:lazarus frog Craugastor milesi / Operation Wallacea
復活を果たした動物たち
そこで今回は、絶滅してしまったと思われていたものの、後になってまだ地球上で暮らしていることが判明した動物たちをご紹介しよう。
写真:化石標本しか知られていなかったシーラカンスは大昔に絶滅したものと考えられていたが、1938年に生きた個体が発見された。
ヒメフクロウインコ

1912年を最後に目撃証言が絶えたため絶滅してしまったと考えられていたオーストラリア産の夜行性インコ、ヒメフクロウインコ。しかし、BBC放送は、2013年にオーストラリアの博物学者ジョン・ヤングがこの鳥を再発見したと報道した。

写真:SciNews

クロアシネズミ

オーストラリアで暮らす夜行性のネズミ。一時は絶滅したと考えられていたが、まだ存在することがわかった。

 

一般的なネズミより遥かに巨大

BBC放送によれば、クロアシネズミは黒い脚と白黒の長い尻尾を特徴とし、体重はおよそ800グラムと大型。一般的なネズミ(写真)が200グラムほどであることを思えば、その大きさがおわかりいただけるだろう。

写真:Brett Jordan/Unsplash

30年間姿をくらます

山火事やネコによる捕食で個体数を減らしたクロアシネズミは1987年に絶滅が宣言されたが、2017年に再発見されることとなった。

写真:Black-footed tree rat / Terra Ranger

キューバソレノドン

唾液に毒をもつ珍しい哺乳類、キューバソレノドン。トガリネズミに似た姿でキューバに生息していたが、1970年には絶滅が宣言された。しかし、アメリカ自然史博物館によれば、4年後に生きた個体が発見されたという。

写真:Wikimedia Commons

絶滅の危機は去っていない

しかし、キューバソレノドンは天敵も多いほか、生息地の環境破壊も進んでおり、専門家たちは絶滅の危機が去ったわけではないと警鐘を鳴らしている。

写真:Wikimedia Commons

テラートカゲ(Phoboscincus bocourti)

太平洋に浮かぶニューカレドニアで暮らす、体長50センチメートルほどの巨大なトカゲ。『ナショナル・ジオグラフィック』誌によれば、100年あまり前に絶滅したと見られていたが、1993年に再発見されたとのこと。

写真:Wikimedia Commons

鋭い歯をもつ肉食トカゲ

「テラートカゲ(恐怖のトカゲ)」という英名は、鋭い刃物のような歯で貪欲に獲物を捕らえることから。2003年、2009年、2013年、2018年と立て続けに姿を現している。

写真:PLOS ONE

フェルナンディナゾウガメ

100年あまり前に絶滅したものと考えられていたガラパゴスゾウガメの亜種、フェルナンディナゾウガメ。米国のNPO「Galapágos Conservancy」によれば、2019年に生息が確認されたという。

 

およそ50歳

フェルナンディナ島の北西部で発見されたこのゾウガメはメスで、およそ50歳。現在はガラパゴス国立公園のゾウガメ保護センターで暮らしている。

タカヘ

ニュージーランド固有の飛べない鳥、タカヘ。ニュージーランド自然保護局によればヨーロッパ人がこの鳥の記載を行う以前から、先住民のマオリ族は何世紀にもわたってタカヘを狩猟の対象としてきたそうだ。

1948年に探検家が再発見

タカヘは入植者がもちこんだ犬やネコをはじめとする捕食者によって個体数を減らし、一時は絶滅したものと見られていた。ところが、100年あまりが経った1948年マーチソン山脈(ニュージーランド南島)に分け入った探検家たちの手によって再発見されることとなった。

 

野生に戻す試みがスタート

現在、300羽ほどの個体が保護区で暮らしているが、『ガーディアン』紙の報道によれば、 2018年に30羽が本来の生息地に放たれたのを皮切りに、さらに2つの個体群が野生に戻されたとのこと。

 

クロスリバーゴリラ

絶滅危惧種とされるニシゴリラの亜種、クロスリバーゴリラ。カメルーンおよびナイジェリアの森林で暮らしているが、世界自然保護基金(WWF)によれば、現在の個体数は200~300頭にすぎないとされる。

写真:Wikimedia Commons

1987年に再発見

1904年に発見されたものの研究は進まず、1987年に少数の個体群が再発見されるまで絶滅したものと考えられていた。2009年になってようやく、幼獣を連れたクロスリバーゴリラの家族の姿が写真に捉えられることとなった。

写真: Wikimedia Commons

人間の活動が与える影響
今回ご紹介したような再発見のケースはあかるい報せだが、人間の活動によって野生動物たちが窮地に追いやられているのは疑う余地がない。
 
大量消費社会による環境破壊
かつては犬やネコの持ち込み、あるいは狩猟が原因で絶滅寸前に追いやられる生物が続出したが、今日では大量消費社会による環境破壊が主な原因となっている。
写真:Gryffyn M/Unsplash
絶滅危惧種は4万2,100種あまり

2023年現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストには15万300種が記載されており、4万2,100種あまりが絶滅危惧種に分類されている。

写真のオランウータンは「絶滅寸前(Critically Endangered)」とされる。(Dan Dennis/Unsplash)

 

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