近年の考古学的新発見まとめ:ヒエログリフの刻まれた石、金箔で覆われたミイラ…...

多くの考古学的新発見
2023年の大発見を振り返る
ヒエログリフの刻まれた石
ローマ帝国時代の剣
シュメール時代の宮殿
唐代の墓と遺物
皇帝ネロの劇場
エジプトのネクロポリス
古代アッシリアの女神像
古代ローマ時代のモザイク画
オーディン信仰を示す板飾り
水中遺跡
メキシコの女性像
サッカラの貴族の墓、金箔に包まれたミイラ
世界最古の木像建築物
マヤ時代の都市
多くの考古学的新発見

たゆまぬ研究の結果、昨年多くの考古学的発見があった。失われた古代都市や水中の財宝が発見されたほか、ミイラや古代ローマの剣など目をみはるような発掘物もあった。

2023年の大発見を振り返る

とはいえ、日頃から研究シーンを追っているのでもない限り、こういった興味深い発見の数々についてご存知ない方も多いだろう。昨年発表された主な考古学的発見をチェックしてみよう。

ヒエログリフの刻まれた石

ポーランドのエジプト学者がスーダンのオールドドンゴラ地域で綺麗に切り出され、ヒエログリフの刻まれた白い石を100個も発見した。考古学ニュースサイト『Heritage Daily』が伝えている。時代はエジプト第15王朝(紀元前1663年〜紀元前1555年ごろ)にまで遡るものと見られ、エジプト南部をクシュの王国が支配していた時期でもあり、非常に興味深い発見だ。

ローマ帝国時代の剣

イスラエルとヨルダンの間に位置する死海の洞窟から1,900年以上昔の剣が発掘された。非常に優れた状態で保存されており、紀元2世紀にこの地域で起きたローマ帝国に対する反乱「バル・コクバの乱」の際にローマ兵から奪ったものかもしれないとされている。

シュメール時代の宮殿

古代シュメールの都市ギルシュ(現在ではイラク南部の都市テル・テロ近郊)で4500年前のシュメールの宮殿が発掘された。この時代についての研究の進展が期待される。

唐代の墓と遺物

中国の大同で唐代(紀元618年〜907年)の墓58基が発見され、そこから300以上の遺物が発掘された。『Heritage Daily』によると、唐代の遺物の発見としては最大級のものだという。

皇帝ネロの劇場

長らく失われたと考えられていた、皇帝ネロが築いた劇場が発見された。ローマで歴史・芸術・文化・民俗遺産管理責任者を務めるダニエラ・ポッロが7月に発表した。目下調査が進められており、じきにさまざまな調査結果が公表されるだろう。

エジプトのネクロポリス

古代エジプトの墓地遺跡(ネクロポリス)トゥーナ・エル・ガバルで、かつてない規模のエジプト新王国時代の墓が発見された。エジプト観光局が発表した。石棺がいくつも見つかっており、中には王家に使える高級役人のものもあったという。

古代アッシリアの女神像

イラクで古代アッシリアの女神「ラマッス」の石像が2,700体以上も発見された。この石像は1990年代に盗掘者が頭部を破壊して密輸しようとしたことがあり、それらの破片は研究者らが修復していた。今回見つかったのはその胴体部分で、以前から存在は知られていたものの、盗掘活動やイスラム国の台頭などが保護の障害となっていたという。『Smithsonian Magazine』が報じている。

古代ローマ時代のモザイク画

次は2023年12月と、まさに最新の発見。現在のトルコにある古代ローマ時代の都市プルシアス・アド・ヒピウムでライオンを描いたモザイクが発見された。研究者によると酒神ディオニュソスを信仰する人びとのための部屋にあるとされており、2023年最大級の発見となるかもしれないという。『Heritage Daily』が伝えている。

オーディン信仰を示す板飾り

2023年3月、数年前にデンマークで発掘されていた金製の板飾りに刻まれているルーン文字が解読された。その結果、刻まれていたのは北欧神話の主神オーディンを讃える文章だとわかり、デンマークにおけるこの種の信仰を示すものとしては今までに見つかっていたものよりも100年ほど古いと見られるという。

画像:X(旧Twitter) @SimonCoupland

水中遺跡

ローマ時代の都市バイアエはイタリアのナポリ湾に面しており、いまでは半分ほどが水没している。その水中の遺構から、大理石製のフロアタイルや石柱など多くの遺物が発見されている。

メキシコの女性像

2021年にメキシコ東部アマヤクで発見された女性像によく似たものが、同地域で出土した。同じく先コロンブス期のものと見られ、詳細はわからないが女性の支配者か女神を模ったものと考えられている。

サッカラの貴族の墓、金箔に包まれたミイラ

エジプトのネクロポリス、サッカラで貴族の墓が発見された。墓は古代エジプト第18王朝アマルナ時代のものと見られ、非常に有力な貴族のものだったと考えられている。サッカラではほかにも金箔に包まれた4300年前のミイラが見つかるなど、考古学的発見が相次いで発表されている。

世界最古の木像建築物

2019年にザンビアで発見されていた構造物の痕跡、カランボ遺構が世界最古の木造建築物だと認定された。カランボ遺構は476,000年前のものと見られ、初期人類の技術についての認識を大きく塗り替えるものとなりそうだ。

画像:Wiki Commons By By L. Barham, G. A. T. Duller, I. Candy, C. Scott, C. R. Cartwright, J. R. Peterson, C. Kabukcu, M. S. Chapot, F. Melia, V. Rots, N. George, N. Taipale, P. Gethin, and P. Nkombwe

マヤ時代の都市

メキシコ国立歴史・人類学研究所の学者らが、マヤ時代の都市オコムトゥンを発見した。『Smithsonian Magazine』によるとこの都市の遺跡は1,000年以上ジャングルの中で眠っていたが、2023年7月にスロベニア出身の人類学者らが発見したという。

画像:Dr. Ivan Šprajc / National Institute of Archaeology and History Press Release

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